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ドーピングについて最低限知っておくべき9つのこと

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シエルボ奈良 大森マネージャー

シエルボ奈良 大森MG

奈良県の地域密着型プロレーシングチーム「シエルヴォ奈良」が、ランス・アームストロングの件で最近特に露出機会の多い、「ドーピング」についての講習会を開くというので、奈良県は王寺まで行ってきました。

今回は、「ドーピング」に関することを、簡単にご紹介させていただきます。

 

ドーピングとは

まずこの、「ドーピング」についての最新の解釈ですが、

競技スポーツにおける禁止物による不正な競技力向上」として理解されており、全世界のプロスポーツにおいて、禁止されております。

その歴史は古く、1865年にオランダの水泳大会で初めて行われたといわれています。

また初めてオリンピックで薬物リストが定義されたのは、1968年フランスのグルノーブルで開かれた第10回冬季オリンピックおよび同じ年に開かれたメキシコ夏季オリンピックになります。

 

誰が決めているの

JADA

JADA

 

WADA

WADA

 

禁止薬物を使うとどうなるの?

処罰されます。程度により期間が決められ、出場禁止(資格停止)。メダルの剥奪など。

ただし、「特定物質」 という制度があり、資格停止期間を短縮することができます。それは、いつ、どこで、何を摂取したか、そしてそれら薬物は競技力の向上・隠ぺい目的でないことを証明することです。つまり、

うっかりドーピング」をしてしまった場合の、助け舟ですね。

実際のところ、この「うっかりドーピング」には、十分すぎるほど注意する必要があり、それがアンチドーピングのすべてといっても過言ではないでしょう。

実は日本人でも、うっかりドーピング 、してしまっています。

  1. 球団不手際でアウト…井端、日本人初ドーピング違反
  2. 日本代表SO山中亮平 ドーピング防止規則違反で2年間の資格停止
  3. 新潟・千葉の問題をドーピング委員会で協議へ

 

 

持病の薬もダメなの?

たとえばぜんそくの薬とか、痔の薬とか、I型糖尿病のインシュリンとか、そんなのもダメなのでしょうか? 否。TUE(ティーユーイー)という除外措置があります。

禁止薬物であっても、JADAのTUE委員会に申請すれば、たとえそれが禁止薬物であっても、使用可能です

もちろん、それにより競技能力が向上しないということが前提ですが。

  • TUE申請の流れ

 

注意していても、うっかりドーピング

上記のように、禁止薬物は毎年更新されます。去年まで禁止されていなかった薬物が、今年は禁止になったなんてことは珍しくありません。

競技を始める前から摂取していた薬も要注意。思い込みって、ありますから。

薬の名前も要注意。調べたつもりが、似たような名前の違う薬物だったなんてこともあります。

花粉の薬や、虫歯治療の薬が該当する場合だってあります。

 

一体どれが禁止薬物なんだ?

JADA公認スポーツファーマシスト」という資格を持っている薬剤師さんにご相談ください。2013年2月現在で、全国に約4500人。2013年中に約6000人になる予定です。

どこにいるかって? スポーツファーマシストのホームページで検索できます。2013年2月現在、大阪府で検索すると80名ほどのスポーツファーマシストがいるようです。やはり都会のほうが多いのは否めません。

ズバリ禁止薬物が知りたいという場合は、JADAのホームページをご覧ください。ただし、似たような名前の薬にはくれぐれもご注意くださいね。

スポーツファーマシスト

スポーツファーマシスト

 

サプリメントにも注意が必要

明確な判断基準は、スポーツファーマシストが認定しているかどうかです。商品にマークが入っています。

このステッカーが目印

このステッカーが目印

海外のサプリメントは特に注意が必要。よく調べたとしても、手を出さないほうが無難です。成分の名称が異なっているかもしれません。すべての成分が書かれていないかもしれませんよ。

ここはダメ

ここはダメ

↑ ダメな例。http://www.popeyescanada.com あきまへんでぇ。

 

 ユンケルは大丈夫なの?

スポーツファーマシストにご相談ください。といっても、栄養ドリンクはあくまでドリンク。薬ではありません。

同様に、コーヒーなどに含まれるカフェインについては、一気に10杯飲むなどしなければ、大丈夫であろうということでした。

 

今できる最善の策は?

いつでも相談できるスポーツファーマシストを見つけてください。監督やコーチ任せにせず、選手個人個人が意識しなければいけません

そして、薬を服用する場合、以下の項目について、記録してください。

  • いつ、どれだけの量を服用したか。
  • 薬の入手経路
  • 摂取の目的
  • その薬のパッケージもしくは説明書、処方箋

うっかりドーピングをしてしまった際に、特定物質として申請する際に必要となります。

 

まとめ

おそらくドーピングに関する監視の目が弱まることは、今後ないと思います。

プロアスリートとして生きる以上、避けては通れないものですので、是非積極的に押さえて置くべきでしょう。

まずは、JADAのホームページは、隅々まで読むべしです。