一度はしてみたかった、「大阪-東京自転車ロングライド」 2013年3月6~7日の2日かけて、実行してきました。
まずは計画。
ルートラボで「大阪東京」で検索した中で、「薄軽筆入れ」さんのデータが参考になると思い、GPSナビの「パイオニア ポタナビ(サイクルラボ)」に、初日と二日目の2つに分けてコースをインプット。自宅から出発のため、大阪-京都間のルートが違いますが、それ以外は全て「薄軽筆入れ」さんのルートどおりです。(ただし逆ルートですが)
計画では初日は350km走って、静岡県焼津の港町にある民宿で海鮮料理に舌鼓を打ち、二日目は200km走って東京飯田橋のユースホステルに泊まるというものです。
これまで私が走った1日の最長距離は、学生時代のサイクリング部の耐久ランとして、230kmを2回。1回目はランドナー、2回目はロードバイクでしたが、いずれも翌日から脚の筋肉と筋がすべて切れてしまったような激痛がおよそ1週間は続いたと記憶しています。それ以降200km以上の距離を走ったことはありません。当時は自転車のポジションやペダリングなど理論的に考えたことなど無く、今から思えば全くの素人状態でした。
それから約20年。自転車屋としての知識・経験が、加齢による体力低下をどれほどカバーできているのか、臨床実験してみたいというのが、この挑戦への理由でもあります。
装備をご紹介
- ライダー・・・ヒト科 オス 40歳と3か月 身長/166cm 体重/59kg A型
- バイク・・・テスタッチ/クロモリフレーム シマノ/アルテグラ タイヤ/パナレーサーレースD 50/34tx12/23t
- ウェアー・・・パールイズミ/ノースリーブのインナー footmax/アームカバー 4DM/半そでジャージ Biemme/ウィンター長袖ジャージ Marmot/ウィンドブレーカー Biemme/ウィンターグローブ 4DM/ビブニッカ ZAMST/カフサポーター footmax/ロードバイク用ソックス シマノ/SPDシューズ+カスタムバランス/インソール BELL/ヘルメット 720armor/サングラス
- その他・・・パイオニア/ポタナビ(GPS) オーストリッチ/輪行袋(L100) ノースフェイス/16Lのバックパック(トレイルラン用) ポチット/トップチューブバッグ ポチット/引出付サドルバッグ iPhone キャットアイ/HL-EL540(前ライト)+TL-LD155R(後ライト) 気づきベル パンク修理キット(タイヤレバー+パッチ+携帯ポンプ) 携帯工具 予備チューブ(2本) CO2ボンベ(2本)キャノン/デジカメ(S90)
前日は10時に就寝。翌朝4時に起床し、真っ暗な中5時にスタート。細くなった月が綺麗です。当日の予想最高気温は16度ということでしたが、出発してすぐの街頭の温度計は「マイナス1度」 超寒いのですが、この後温度が上昇するのは確実なので、ひたすら我慢。経験上このくらいの気温なら40分くらいまでなら大丈夫。ただしその後は手足の痺れに耐えるしかありません。
スタートして約30分、ボトルを忘れたことに気が付きました。朝CCDを溶かして台所のカウンターに置いたところまでは覚えていたのですが、そこから先を忘れたようです。仕方がないので、コンビニで500mlのポカリを購入。ボトルケージにはぶかぶかですが、落ちることはありませんでした。巡航速度はおよそ30km前後です。
大津を通過するあたりで、午前8時を過ぎました。通勤途中のサラリーマンや、通学途中の学生がたくさんです。ここから鈴鹿の手前までは初めて走るルート。ですがほぼ国道1号線を走るルートなので、まっすぐ突き進めば迷うことはありません。ポタナビはまだオフ。大型ダンプが勢いよくすぐそばを通り抜けます。
甲賀を越えるといよいよ初日の山場、「鈴鹿峠(357m)」 ここは学生時代に逆コースですが2回走行したことがあります。丁度峠部分は登りと下りで別ルートとなっており、さらにピークはトンネルです。逆コース(東から西)はとても厳しいイメージだったのですが、そろそろ本格的な登りかと思ったとたんに、トンネル通過。あれっと思っていると、あとは全て下り。なんだ、鈴鹿峠って、東からと西からでは全然イメージが違うんですね。
鈴鹿峠を下り亀山まで走ると、シマノ鈴鹿ロードで何度も来たことがある道となります。少し気が楽になります。
最初に購入した500mlポカリが無くなったので、新たなポカリを購入。ここでは太い1Lサイズがありました。ちょうどボトルケージのサイズです。ここにポカリが収まると、学生時代にランドナーで走っていた頃を思い出して、とても懐かしくなります。あの時は更に大きな1.5Lでしたが。
スタートから140km地点。四日市で昼飯の為ココイチでカレー休憩。ここで初めて25分のロング休憩を取ります。暖かくなってきたので、ウィンドブレーカーも脱ぎます。シューズも脱いで、脱力。フェイスブックに書き込むと、即座に沢山のいいね!やコメントが入り、元気が湧いてきます。嫁にもメールで生存報告です。
岡崎城、豊橋を超え、いよいよ静岡県に入りました。この時点で焼津に着くのは晩の9時を超えそうです。民宿を予約しているので、電話して遅くなることを伝えました。
豊橋を過ぎたころから、国道1号線の自転車通行不可のバイパスが多く出現するため、ポタナビは常時オンに。初めての道でもあらかじめ曲がる個所がわかるのは、とても頼もしい。
ですが浜名湖の浜名湖バイパスで失敗してしまいました。自転車通行不可の看板を見落とし、バイパスに乗ってしまったのです。100mほど走ってから車のドライバーが窓を開けて、
「ここ自転車入れないよ」
と注意してくれたのですが、すでに遅し。ここからバックするのも怖いので、えいっと突っ切ることにしました。
それにしても怖かった。高速道路を自転車で走るようなものです。路肩は広いのですが、小石が散乱しており、パンクのリスクも高まります。なんとか途中の出口でエスケープすることができて一安心。
あたりはそろそろ薄暗くなってきました。気温も低くなってきたので、再びウィンドブレーカーを着こみ、前後のライトを点灯します。
しばらく走ると、天竜川のバイパスの分岐点で再びやってしまいました。GPSのルート表示だと、分岐点での道路の角度が鋭角なため、気が付きにくいのです。標識の通り、「1号線」とあるほうに自然と向かってしまいました。
浜名バイパスと同じく、見た目はほぼ高速道路。分岐点も多く、時速40km近くで必死に逃げます。しかも今度は夜。幸いそれほど交通量が多くなかったので、後ろの信号が赤になったタイミングであれば、分岐点は何とか切り抜けられました。ここも生きた心地がしませんでした。
スタートしてから230km、自己最高距離を上回っています。脚は快調ですが、背中(肩甲骨)が痛い。信号待ちのたびに肩をぐるぐる回してストレッチ。さらにお尻も痛み出しました。
磐田市を過ぎるころ、焼津の宿には9時にもたどり着かないことがいよいよはっきりしたため、宿にキャンセルの電話を入れます。ごめんなさい。すでに気力が萎えてきていますが、初日に300キロ以上は走っておかないと、2日目が大変です。なんとか7時過ぎまでは走ると心に決めて、袋井を通過。次の街の掛川で投宿することに決めました。1号線を外れ、掛川駅前で最初に目についたビジネスホテルを見ると、「シングル5000円 大理石風呂付」 いいですね。決定。自転車を部屋まで入れることに快諾してくれました。ナイス。駅前の小さな飲み屋で夕食を済ませ、崩れるように11時に就寝。
5時に起床し、6時に出発。大阪より東にある為か、この時点で昨日より明るいですね。駅前にある100名城「掛川城」を写真に収め、いざ出発。残り約250km。
まずは計画なら昨日超えているはずだった夜泣石&金谷峠。昨日暗いうちに弱った脚で行かないでよかった。かろうじて回復した脚でも、時速10~15kmくらいのスピードで通過。
越すに越されぬ大井川を通過。このあたり少し市街地で信号が多く、ペースもあがりません。
駿府城跡を横目で見ながら、静岡駅通過。静岡県長いな~と思っていたとの時、突如目の前に「富士山」出現。思わず立ち止まり写真撮影。
さらに進むと、富士由比バイパスにかかる新富士川橋。
なんということでしょ。富士山よ、完璧なお姿で自分を迎えてくれているではありませんか。
これまで車や新幹線の窓からは何度も見たことがあり、その都度、「おおぉ~」 と思っていましたが、自走で見る富士山はその比ではありません。ガラにもなく、感動。来てよかった。走ってよかった。この先もきっと安全にゴールできるに違いない。訳もなくそんなことを思う自分がいました。
富士山に別れを告げると、二日目の走行距離も100kmを超え、いよいよ最難関の「箱根峠」の入口に差し掛かりました。時刻は11時。ちょっと早いですが、お昼ごはんに丸源ラーメンをいただきました。ここでこの二日間で最長となる、35分間の休憩を取りました。
天気は最高。箱根に続く道は思っていたよりも幅の広い道。およそ16kmの峠道。時速10km前後でダンシングを交えながら上ります。歩道が広いのですが、小石が多く、また途中石畳になっていて、すこし走りにくい。車道の路肩は狭く、車は少なくてもスピードが出ているため、すこし怖さもあります。
途中ローディが一人と、ママチャリの高校生くらいの二人連れをパスし、約1時間半かけて、登頂。標高846mの箱根峠です。ここからすこし下ると、芦ノ湖が見える道の駅。ここで少し15分ほど長めの休憩。下の気温は16度でしたが、ここは10度。下りに備えて、ウィンドブレーカーを着こみます。
ダウンヒルを楽しむと、箱根のメインストリートに到着。箱根駅伝のゴールでもあり、箱根ホテルがあり、芦ノ湖の遊覧船があり、箱根の関所でもあります。ささっと写真を撮り終え、国道1号線ではなく、距離の短い旧街道で下ります。
旧街道の下りはこんな九十九折。ブレーキが壊れやしないかと、ちょっと心配になりながら、無事下り終えました。
下ると小田原。小田原といえば小田原城。秀吉の一夜城跡を横目に、残り約100km。もうこれで安心と思いきや、左膝に違和感が。
でもペダリング中は痛くありません。信号待ちで左足のクリートを外すとき、スタートではめる時にズキンと膝の外側が痛みます。どうやらこれって、クリートの付け外しの動きが原因か? と思い、脚をつくのを右足に変更。信号待ちでも柵があれば、足を外さずつかまって停止したところ、多少ましに。なるほど、これだけ信号待ちで脚を付け外しする動作をすると、膝に来るのか。
ヒトにもよると思いますが、ロングライドの時は脚を交互に外したほうがよさそうです。
それともう一つ、昨晩から蓄積されたお尻の痛み。これはたまらん。痔が再発したのか、お尻の皮がむけたのか、どっちかわかりませんが、とにかく痛い。信号待ちのリスタートでも、お尻の位置を定めるのに、お尻フリフリしなけばならず、車からみたら気持ち悪いだろうなと。ある程度速度が乗ってしまえばいいのですが、細かく信号があると、きつかったです。
茅ヶ崎、鎌倉とすぎ、いよいよ横浜。このあたりちょっとした丘が多く、ダンシングでしのぎます。お尻と左ひざは痛くても、ダンシングのフォームは崩れていないと自己分析。まだまだ脚は十分。
横浜市戸塚駅の踏切は「開かずの踏切」として有名ですが、現在地下道を建築中。2015年1月に完成予定とのことですが、それまでは歩道橋を登り、南側の戸塚駅前をぐるりと回ってくる必要があります。
横浜を過ぎると暗くなってきました。前後のライトを点けてのこり約25km。順調にいけば1時間ちょっとで日本橋です。ここらあたり車線が広く、とにかく信号が多い。スピードに乗ったと思ったら、停止。堪えます。巡航スピードは30kmは出ているのですが、信号待ちが多く、距離が延びません。
品川通過、銀座通過、そしてついに、日本橋に到着。二日間で560km。いよっし!
これまですべてセルフ写真でしたが、ここは通行中のご婦人にお願いして、記念撮影。これでやっと終わりです。
飯田橋のユースホステルまで5kmほど走って、完全ゴール。19階にある眺めの良いYHのお風呂につかり、神楽坂で一人打ち上 げ。
10時のチェックアウトまでのんびりすごし、お昼前に新幹線で輪行。
3時過ぎには帰宅完了。脚は目いっぱい痛く、階段を降りるときすこし痛みますが、まぁ、通常の疲労の範囲。どこか痛めたというほどもないレベル。学生時代の230kmに比べると、全然ましです。
自分でいろいろ勉強してきた自転車のポジション、ペダリングフォームはまずまず間違ってはいなかったと、自己評価。うんうん。
最後に二日間の走行データです。スピードメーターがオートスタート/ストップになっていなかったようで、休憩時間や信号待ちを除いた実走行時間はわかりません。巡航速度としては、30km前後だと思います。ちょっと向かい風で遅いなと思う時で、25kmくらい、スピード出ているなと思う時で、32~34kmくらいでした。
1日目 | 2日目 | 合計 | |
---|---|---|---|
走行距離 | 325km | 235km | 560km |
時間 | 14時間0分 | 12時間25分 | 26時間25分 |
平均速度 | 23.2km/h | 18.9km/h | 21.2km/h |
フルマラソンを完走したことのある人は日本に何十万人といると思いますが、大阪東京間を自転車で ”ただひたすら” 走ったことのある人なんて、日本に1万人もいないのではないでしょうか?
そう思う事で自己満足に浸れる変態ならば、生きているうちに挑戦してみることをおすすめします。
大阪東京を自転車で! と思う方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
先週に引き続き、今週も夜行バスで輪行して東京まで往復してきました。今回のツアー会社は「アップオン」
MKバスの場合、輪行すると乗車料金プラス500円される為、片道3500円(往復7000円)となりますが、アップオンの場合輪行超過料金は取られません。しかも往復で申し込むと200円割引されます。
MKバスの場合はバスの種類は1種類しかありませんが、アップオンの場合トイレ付や3列シートなど、バスのバージョンが数種類あります。今回はすこしゴージャスなバスにしようと「トイレ付3列シート 片道5000円」をwebから申し込み、備考欄に「1台輪行します」と記載しました。
すると翌日、アップオンからメールで返信がありました。
⇒あいにくですがお申込みされましたバスタイプはトランクがございませんのでお預かりができないタイプとなります。
輪行可能なバスタイプはB便のプレミアムらくらくシートとプレミアム4でございます。
ななんと、ホームページにはすべてのバスで輪行可能なように記載されておりましたが、ここを落とし穴でした。(それにしても「トランクが無い」とはありえないと思いませんか?「トランクが小さい」だと思うのですが・・・・)仕方がないので、「プレミアム楽々シート 片道4500円 往復8800円」に変更しました。輪行可能なバスかどうかは、ホームページをよく見ても書いてありませんので、電話と併用して予約するのがおすすめです。
※価格は季節・曜日によって変わります。
さて、集合場所に到着。MKバスと違いは、旅行会社とバス会社が異なること。今回のバスのデザインは、「姫路観光」でした。バスを見るとトランクが3つあり、確かにこれなら数台自転車があっても大丈夫そうです。
係員に輪行であることを告げると、MKバスとの違いが現れました。
自転車の傷に敏感な方は人に積まれるより、自分で積んだほうがよいかもしれませんが・・・・・
また、乗務員の接客態度や言葉使いについても、MKバスのほうが丁寧で、教育されている感じがありました。
トランクルームが低く、自転車を寝かせておきました。
シートの幅については、価格が高い分、アップオンのほうが少し広く、リクライニングの角度も広く、快適でした。
ただし、MKバスには「毛布・スリッパ」はもちろん、「クッション(背枕)・エアマスク・目隠し・耳栓」までもが無料サービスとなっておりましたが、アップオンの場合は、「スリッパ・毛布」の2点のみでした。
運転についても、MKバスのほうが丁寧な運転に感じました。加速。ブレーキングがよりソフトというのでしょうか。
サービスエリアでのトイレ休憩のときの対応も異なりました。MKバスは睡眠中の乗客に配慮し、停車中も消灯、出発時刻については運転席の横に掲示しているだけでした。
アップオンの場合は、停止と同時に車内点灯、マイクで出発時刻をアナウンスしており、目が覚めました。
バスは定刻通り新宿に到着。
東京を満喫したら帰ります。集合時刻が23時とすこし遅めです。近くにマクドがあって助かりました。輪行していると時間をつぶすのに苦労しますから。
ただし、そのマクドには同じように夜行バス待ちの客が多く、複数名で席を確保するのは大変でしょう。
行きと同じく、自分で自転車を積み込みます。ナンバープレートを見ると、行きと同じバスです。
予定通り30分早く、6時30分に大阪駅(郵便局跡の前)に到着。自分で自転車を出して、輪行完了。
さっそく自転車を組み立てて、自走で帰りました。
バスそのものについては、アップオンの方が広いのですが、乗務員の対応、アメニティについてはMKバスのほうが快適でした。その差1000円ありますので、どちらにするか迷ったときは、参考にしてみてください。
「輪行(りんこう)」とは、「自転車を分解して専用の袋に入れて、交通機関に乗せて移動する」こと。
これを習得することにより、サイクリングの幅が劇的に広がります。そもそも自転車で走ることそのものを楽しむ場合、玄関から一歩出ればすべてがフィールドですが自宅の周りがすべて走りやすい場所とも限りません。もっともっと遠くに行きたくっても、自力で走っていくには限界があります。
車に自転車に積んで、目的地まで移動し、そこでサイクリングを楽しむという方法もあります。しかしそこには数々の制約があります。
まず、スタートとゴールが必ず同じでなければいけません。次に旅先でおいしい食事にであっても、アルコールを飲むことができません。複数人で出かける場合、都合よく飲酒しない人がいれば別ですが、そううまくはいきません。
輪行の場合、スタートとゴールが違ってもまったく問題ありません。むしろそうするべきです。それにより同じコースを往復するというコース設定が必要なくなり、まったくもってコース設定が自由になります。
たとえば、行きだけ走って、帰りは輪行。逆に、行きは輪行で、帰りに走るというコース設定も可能です。1日で100キロ走れる人の場合、すべて自走で行う場合、50キロ先にまでしか走っていくことができませんが、行きか帰りのどちらかを輪行することで、100キロ先まで走っていくことができるのです。
また上り坂が苦手な人がいたとします。その場合、その坂道区間だけ輪行してしまうというのもアリです。
つまり、「輪行することで、地形を自由に選んで走ることができる」それが輪行の醍醐味であり、せっかく自転車を楽しみたいなら、絶対に身に着けておきたいスキルの一つです。
それでは実際に輪行の手順を見ていきましょう。輪行スキルを身に着ける前に、前後輪の着脱方法を習得してください。輪行とは直接関係はありませんが、遠くまで走りに行くということでのリスク管理として、パンク修理、タイヤ・チューブの交換が自らできるというのも、必須です。
駅に着いたら、輪行するのに適した場所を探しましょう。壁際がベストですが、朝夕の通勤時間帯の、その駅のメインとなる階段近くは避けたほうがよいでしょう。また、駅の床は酔っ払いたちの****によって汚れている場合がありますので、注意が必要です。
前後輪を外すため、駅に着いた時点で、ギアは「アウター x ロー」にしておきましょう。常に次の作業の準備をしながら、ことを運ぶのがコツです。
輪行中にダメージを受けてしまわないように、ハンドル周りの電気系パーツ(ライト・スピードメーター等)は外しておきましょう。
前後輪を外してから、フレームをこんな風にさかさまにします。
※前後輪をつけたまま逆さまにして、それから前後輪を外すという方法もありますが、それだと重たいですよ。車輪を外してからのほうが、軽いでしょう。
輪行独特のパーツ、エンド金具を取り付けます。(ロードバイクはエンド幅130mm、マウンテンバイクはエンド幅135mm、クロスバイクの場合はエンド幅135mmがほとんどですがものによっては130mmのものもありますので、現物で確認を)
エンド金具とは、自転車の中でも最もデリケートなパーツ「リアディレイラー」が輪行袋の中で字面と接する部分になるため、それを保護するためのパーツです。持ち運びが楽なように、軽量・コンパクトにできており、過度な強度・耐久性はありません。取り扱いは易しく、丁寧に。
使い方は、後輪に付いていたクイックレバーを外して、このように取り付けます。途中チェーンを介することで、輪行袋の中でチェーンがたるみにくくなり、フロントギアから外れにくくなります。
慣れればなんということない簡単なものですが、最初の数回はとても難しいと思います。まずは最低5回は付け外しを練習してみてください。
オーストリッチのエンド金具を購入すると、リア用クイックレバーが付属しますが、もともと後車輪についているクイックレバーを使用すれば、多少なりとも荷物が少なく済みます。
エンド金具をクイックレバーを固定する時は、そこそこ強めにしてください。いくら強く固定しても、エンド金具は動いてしまいますので。
一見簡単そうに見えますが、ここはかなりポイントです。下の画像の矢印の部分(3か所)を輪行袋に付属のストラップで固定します。固定する順番があります。まず一番上です。最初にここを止めないと車輪が開いてしまいます。そしてここだけ固定方法が異なります。フレームを巻き込んでから、車輪を固定します。こうすることで、摩擦力が増し、緩みにくくなります。ただし、最初は仮止めです。しっかりと固定する前に、下側の2か所を固定しましょう。
下側の2か所はどちらが先でも構いません。サドル側はサドルのレールにもストラップを通すことで、ずれにくく、緩みにくくなります。
3か所すべて仮止めしたら、上側から順番に本締めしていきます。本締めとはいえ、ほどほどの力で締め上げてください。本気で締め上げますと、車輪がゆがんでしまいますから。
一番上側の通し方が左端の画像です。続いて後ブレーキの下側、サドル側となります。
フレームと車輪が固定できたら、一度持ち上げてみてゆすってみてください。この時ガサガサするようですと、固定力不足です。ガサガサずれることで、傷がついてしまいます。
よく「自立しやすいように、横から見て八の字になるように」と解説してある場合もありますが、気にしなくて大丈夫。上の画像のようにきちきちに固定すれば、自然とそうなるはずですから。
続いて肩紐をかけましょう。まずはフロントギアの根本(BB)にストラップの一方を通しておきます。
ここでようやく輪行袋の本体部分を取り出しましょう。このように入れやすいような状態に広げてください。袋の底の内側部分に、リアディレイラーとサドルのイラストがプリントされていますので、その通りに自転車を置きます。
このときの注意すべきことは、肩にかけるストラップと、輪行袋の巾着部分のストラップが絡まないようにすることです。これらが引っかかると、輪行袋を上にあげようにも、どうにもならない時があります。
袋を上げていくときに、先ほど取り付けた肩掛け用のストラップを、袋の中ほどにある穴から通しておいてください。
そのストラップを、ヘッドチューブに通します。
この時ストラップの長さを調整しておくと、この後楽です。長さの目安は、ストラップをフロントフォークのエンド部分にひっかけた時に、ちょうどぴったりの長さになるくらいです。フロントフォークのエンド部分は、低いほう(より短くなる方)に合わせてみてください。身長や肩幅など体格によってそれぞれベストな長さは異なりますので、何度か試して、自分にベストな長さをあらかじめ覚えておくと、便利です。
袋を最後まで持ち上げて、巾着紐を蝶々結びすれば完成です。
電車の中では、くれぐれもほかの乗客の方の迷惑にならないよう、配慮してください。
よほどすいている場合以外、座らないくらいの覚悟でいておいてください。
車内がすいている場合、このように巾着紐を手すりなどに括り付けておくのもよいでしょう。ただし、完全に止まっているわけではありませんので、くれぐれも輪行袋のそばを離れないように注意してください。
組み立てるときはこの逆の手順ですが、走り出す前に
ブレーキ・スピードメーターが正常に動くかどうかは、必ず確認しておいてください。特にスピードメーターのセンサーやマグネットは、輪行袋の中で位置がずれやすいですから。
最後に、輪行を快適にするためには、
「15万円以上のロードバイク」がおすすめです。5万円クラスのクロスバイクで重量がおよそ12キロくらい。5万円クラスのマウンテンバイクだと重量がおよそ13キロくらい。はっきり言って、これは重いです。休まず歩けるのは200mくらいでしょうか。
10万円クラスの入門用ロードバイクで重量およそ9.5キロ。クロスバイクと比べれば十分軽いのですが、あと一息です。
15万円~20万円くらいのロードバイクになると、重量9キロ未満となり、十分軽い部類に入ります。
それ以上はまぁ、極めて趣味性が強くなりますので、このあたりが価格と価格のバランスの良いところかと思います。
輪行袋に車輪を付けるとか、傷がつかないように過度なパッドをつけるとかはあまり追求せずに、あくまで走っている時の快適性に軸足を置くのが、おすすめです。
輪行なんて、手段であって目的ではありません。目的は、快適に走ることです。輪行は裏方ですからね。
輪行可能な夜行バスをメモメモ。
まずは定番、アップオン→こちら。
条件:前後輪を外して輪行袋に入れる。価格:トイレ付き4列シート/4,200円~ 大阪22時発-東京7時着
トイレ付き3列シート/5,000円~ 大阪22時発-東京7時着
プレミアム楽々4列シート(トイレ無し)/4,800円~ 大阪23時発-東京7時10分着
プレミアム3列シート(トイレ無し)/5,300円~ 大阪23時発-東京7時10分着2009年に私が書いたブログを紹介してくれています。写真も私が撮影したものがあちらこちらに。
他にも、東北、九州、四国、北陸への便もあります。
2013年2月25日 実際に輪行して乗車してみました。
続いて、MKバス→こちら。
条件:輪行袋に入れる。予約時に申請すること。1台500円追加料金
※平日は先着3名まで、週末(金~日曜日)・祝日・祝前日は先着1名まで。価格:ゆったり4列シート(トイレ無し)/3,000円~ 大阪22時発~東京7時30分着
ゆったり4列シート(トイレ無し)/3,000円~ 大阪22時30分発~東京7時30分着京都の格安タクシーで有名な、MKタクシーのバスです。路線が「東京-大阪」と、「大阪-福岡」の2便のみ
格安お宿情報
1泊:3,960円(一般)ドミトリー
朝食(バイキング):500円 (7時~8時)
チェックイン:15時~23時
チェックアウト:6時~10時
お風呂:大浴場 16時~23時30分
場所:飯田橋 皇居の北側 日本武道館の北側
※自転車は持ち込み不可ということですが、輪行袋に入れて荷物とすれば、荷物室に保管してくれるとのこと。それができない場合は、近所の駐輪場を探す必要があります。(確認日 2013/2/6)
さらに、もっと安く泊まりたいなら(1泊3,500円以下)、南千住がおすすめ
その中で、ここ(ホテルニューあずま 1泊2,800円)は宿泊経験アリ。あしたのジョーで有名な泪橋交差点のすぐ近くです。
一見物騒な感じがするかもしれませんが、東南アジアを一人でパックパッカーしたことがあれば、全然問題ないですよ。むしろ懐かしい感じがするくらい。にゅーあずまは1部屋3畳。テレビも地デジでしたよ。おやっさんも感じ良いです。オススメです。